2次関数の最大値,最小値の求め方

$2$ 次関数の最大値,最小値は
平方完成!

グラフを描いて
軸からの距離に着目!

このページの目標
  • 2次関数の最大値,最小値の求め方を理解する
  • 2次関数の最大値,最小値を求める問題が「解ける!」

2次関数の最大値,最小値の考え方

2次関数の最大値,最小値を求める問題は,とにかく平方完成してグラフを描くことが基本です。グラフを描くと言っても,丁寧にすべて描く必要はありません。以下の3つが分かるように描けば問題ありません。

2次関数の最大値,最小値の問題
グラフを描くときのポイント3つ
  • 下に凸か,上に凸か
  • 軸は何か
  • 定義域はどこか(「軸に最も近い」と「軸から最も遠い」に着目)

2次関数の最大値,最小値を求めるときの手順

$y=x^{2}-4x+3$ $(1≦x≦4)$ の最大値,最小値を求めよ。

どこからどう見ても2次関数なので平方完成する。

$$y=(x-2)^{2}-1$$

 グラフを描く。今回は $x^{2}$ の係数が正なので下に凸です。また,今回のように定義域に制限がある場合は点線で描いておこう。$x$ 軸と $y$ 軸は不要なので描かない。

放物線点線

 軸 $x=2$ を描く。

放物線軸記入

 定義域内のグラフを実線で描く。このとき,定義域の両端のうち,どちらが軸から遠いのかを意識して描こう。今回は軸が $x=2$ なので $1$ と $4$ では $4$(右端) の方が遠い。

放物線定義域内を実線

 最も上にある点が最大最も下にある点が最小。グラフを見ながら最大値と最小値を求める。

最大点と最小点

  $$\begin{cases} x=4\text{ のとき 最大値 }3\\ x=2\text{ のとき最小値 }-1\end{cases}$$

2次関数の最大値,最小値を求める問題

それでは,あと3問ほど解いてみて感覚を掴みましょう。

問題

 次の関数の最大値,最小値があれば求めよ。また,そのときの $x$ の値を求めよ。
(1) $y=-2x^2-8x-2$
  $(-4<x≦-1)$

(2) $y=\sqrt{x^2-2x}$ $(3≦x≦5)$

(3) $y=\cos^2{x}-\cos{x}+1$
  $(0°≦x≦180°)$

(1) の解答

$y=-2x^{2}-8x-2$ $(-4<x≦-1)$
どこからどう見ても2次関数なので平方完成してグラフを描く方針でいいですね。
2次関数だからという理由は、必ず意識してくださいね。

<解答>
$y=-2x^{2}-8x-2$
 $=-2(x^{2}+4x)-2$
 $=-2\left\{ (x+2)^{2}-4\right\}-2$
 $=-2(x+2)^{2}+6$ [平方完成]

放物線のグラフ

よって
$\begin{cases} x=-2\text{ のとき 最大値 }6\\ \text{最小値はない}\end{cases}$  (答)

(2) の解答

$y=\sqrt{ x^{2}-2x }$ $(3≦x≦5)$

平方根 ($\sqrt{ }$) があるが,中身に着目すれば 2次関数です。よって,$\sqrt{ }$ の中身を平方完成して最大値と最小値を求める。このように,$\sqrt{ }$ の中身を抜き出して考えることは多いので慣れておこう。

<解答>
$f(x)=x^{2}-2x$ $(3≦x≦5)$ とおく。
$f(x)=(x-1)^{2}-1$ [平方完成]

放物線のグラフ

よって,$f(x)$ は
$\begin{cases} x=5\text{ のとき 最大値 }15\\ x=3 \text{ のとき 最小値 }3\end{cases}$

したがって,$y$ は
$\begin{cases} x=5\text{ のとき 最大値} \sqrt{ 15 }\\ x=3\text{ のとき 最小値} \sqrt{ 3 }\end{cases}$ (答)

(3) の解答

$y=\sin^{2} x-\sin x+1$ $(0°≦x≦180°)$

$\sin x=t$ とおけば $y=t^{2}-t+1$ となり,$t$ の2次関数です。このように,置き換えにより2次関数とみなす考え方は重要。これも慣れておこう。置き換えた文字(今回は $t$ )の範囲の確認を忘れないこと。

<解答>
$\sin x=t$ とおくと
$0°≦x≦180°$ より $0≦t≦1$

このとき
$y=t^{2}-t+1$ [$t$ の2次関数]
$=\left(t-\displaystyle\frac{1}{2}\right)^{2}+\displaystyle\frac{3}{4}$ $(0≦t≦1)$ [平方完成]

放物線のグラフ

 よって $\begin{cases} t=0,1\text{ のとき 最大値 }1\\ t=\displaystyle\frac{1}{2}\text{ のとき最小値 } \displaystyle\frac{1}{2}\end{cases}$

ここで,
$t=0$ のとき $\sin x=0$ より $x=0°, 180°$
$t=1$ のとき $\sin x=1$ より $x=90°$
$t=\displaystyle\frac{1}{2}$ のとき $\sin x=\displaystyle\frac{1}{2}$ より $x=30°, 150°$

よって,
$\begin{cases} x=0°, 90°, 180°\text{ のとき 最大値 }1\\ x=30°, 150°\text{ のとき最小値 } \displaystyle\frac{1}{2}\end{cases}$ (答)

2次関数の最大値,最小値がこれで「解ける」へ!

2次関数の最大値,最小値
  • 2次関数(と見なせる関数)の最大値,最小値は平方完成してグラフから求める!
    軸から最も遠い」「軸に最も近い」に着目

 

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