2023年度京都府立医科大学 数学 解答速報
・2023年度(令和5年度)京都府立医科大学 数学 解答速報(pdf:604KB)
(注意)早さを優先しているので「精度」「分かりやすさ」は保証されていません。あらかじめご了承ください。
修正日 | 修正部分 | 修正内容 |
2023/03/16 | 大問1(2) | (誤)正三角形 6 枚,正方形 8 枚 (正)正三角形 8 枚,正方形 6 枚 ※結果の部分が逆になっていました。 |
2023年度京都府立医科大学 数学 所感
解答データでもコメントは入れているけど、簡単に各問題にコメントと感想を述べておきます。
大問1(多面体、体積)
(1)(2)凸多面体のよくある問題です(多面体の問題自体が少ないので、全体から見れば少ないけど…)。近いところでいうと、「大阪公立大(後期2022年度,大問5)」が似た問題を出題しています。同種の問題を解いたことがあれば、ここは簡単。地味に差がつく問題。
(3)一瞬戸惑うかもしれないけど、正方形が現れるためには斜めに切断することはないし、正三角形が現れるためには…と考えれば、中点を通る平面で切断することに気付くのは簡単です。ちなみに、今回得られた凸多面体を「立法八面体」と言います。
(4)少し難しかったですね。凸多面体 $F$ の中に球を描いて考えようとするとイメージしにくい。正八面体に球 $B$ を入れて、その状態で切断していくと見通しが良いですね。
大問2(媒介変数表示の曲線、ベクトル)
(1)ベクトルの内積の定義を図形的に見る経験があれば簡単です。典型的な考え方なので絶対に落とせない。
(2)どう攻めるか少し迷いますが、素直に計算するのが良いでしょう。ベクトルを導入しているので、困ったらあれこれ考えずに計算ゴリゴリで!座標が設定されているので、成分表示を意識しながら進めれば単なる極限の問題となります。ちなみに、座標がない問題であれば始点をそろえて考えるのが定石でしたね。そして、この極限が少し厄介です。闇雲に展開していっても式が汚くなるだけです。$f(t)-f(t_{0})$ や $g(t)-g(t_{0})$の形があるので、微分係数の定義を使うことに気付きたいですね。そこさえ越えればなんとかなるでしょう。
大問3(複素数平面、数列)
(1)簡単。絶対に落とせません。
(2)できれば落としたくない問題です。最悪、具体的に書いていけば規則が見えるので、なんとか答えを合わせたい。
(3)難しい。答えの予想はある程度できるけど、それを説明するのが難しい。個人的に最も苦労した問題。図形的に説明する方法もありますが、数式で話を進めてみました。「$k$ の恒等式」なので、$k$ に好きな整数を代入できるという意識はかなり重要です。他の問題の解け具合にも依りますが、(3)は答えだけテキトーに書いておき、時間があれば記述していくという選択になりそうです。
大問4(2次曲線、回転体の体積)
(1)2次曲線の定義や焦点の求め方といった基本事項さえ身についていれば解けます。現役生の場合、式と曲線は対策が疎かになりがちです。それでも最低限の定義や公式は押さえておきたい。
(2)難しくない。接線の傾きの積が $-1$ を示すだけなので方針に迷わないでしょう。ちなみに、「共焦点の楕円と双曲線は必ず直交(交点における接線が直交)」します。これを証明する問題が「北海道大学(前期2007年度,大問5)」で出題されています。
(3)回転体の体積を求める問題で、特に難しい部分はありません。
(4)回転体の体積を求めて、ついでに極限を計算する問題ですが、(3)までできていれば簡単でしょう。最後の極限計算は、無駄に展開せず、最高次数の係数のみに着目して求めると良いでしょう。大問4は完答必須ですね。
全体
大問4を除いて、完答が難しい問題でした。「分からない問題に固執し過ぎず、解けそうなところを着実に稼いでいく。」というのが京府医の定石ですが、今回も同様でしたね。